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古清水の向付 [茶の湯]

今回は古清水(こきよみず)の向付を紹介します。

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シンプルな形で、見込みに藍、緑、赤の色釉で草花文が描かれています。
繊細な薄手の造りと緻密で美しい貫入がなんとも上品です。

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「古清水」とは古い京焼のこと。
一般的な定義では、江戸時代の初期から18世紀後半くらいまで、
奥田穎川が京都に磁器をもたらし、磁器が京焼の中心となる以前の、
“無銘の色絵陶器の総称”とされています。

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この器にも銘や陶印はありません。
それは、東山山麓の粟田口、八坂、清水にあったとされる古い窯の中で、
陶印の使用を認められていたのが「岩倉山」や「錦光山」など数軒だけだったから
と考えられていますが、実際のところはよくわかりません。
古清水にはけっこう謎が多いのです。

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以前から古清水には興味があるのですが、
もともと現存数が少ない上に、
幕末や明治に作られた京焼も古清水として流通していたりするので、
入手するのはけっこう大変。
でも、地道にいいものを探したいと思っています。

↓こちらもご参照下さい。
http://mukouzuke.blog.so-net.ne.jp/

岩倉山の向付 [茶の湯]

今回は、岩倉山吉兵衛の向付を紹介します。

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「草花文向付」。絵変りの五枚セットです。

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色絵ではなく、銹絵で草花文を描いているのですが、
この絵が上手い。まさに一幅の絵画のよう。

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器の形と銹絵のバランスも見事。
岩倉山は茶陶の窯ですから、
おそらくは茶人のオーダーメイドで作られたものでしょう。

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高台には岩倉山の陶印。
古い京焼の中でも、岩倉山造の向付は数が少ないと言われているので、
大事に使いたいと思っています。

↓こちらもご参照下さい。
http://mukouzuke.blog.so-net.ne.jp/

七宝透し四方鉢 [茶の湯]

今回は少し珍しい器を紹介します。

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岩倉山吉兵衛の「七宝透し四方鉢」です。

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岩倉山吉兵衛は京都粟田口の古い窯元のひとつ。
江戸時代の中期から幕末にかけては、
粟田口陶家の中でも最も高い評価を受けていました。
ところが明治に入ってから衰退し、継承が途絶えてしまったため、
今では“幻の名陶”と呼ばれています。

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この器は七宝透しと美しい色絵が施された鉢で、
形状から、おそらく菓子鉢として作られたのではないかと思います。
ただし大きさが四寸(約12センチ)四方と小さいので、
向付としても使えます。

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高台には、ちょっと読みにくいですが「岩倉山」の陶印が。

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向付として、折敷の上に置いてみました。
いかにも古い京焼らしい繊細な美しさで、
中村宗哲の吸物椀とよく合います。

大日本永楽造の向付 [茶の湯]

今回はまた違うタイプの「大日本永楽造」の向付を紹介します。

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呉須赤絵写しの猪口向。
共箱がないので特定が難しいのですが、
おそらく永楽和全の作ではないかと思います。

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「呉須赤絵」とは中国の明時代末頃の赤絵磁器のこと。
これは永楽善五郎によるその写しです。

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見込みには染付で鳥が描かれ、呉須の発色にも深みがあります。

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高台には「大日本永楽造」の文字。

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金花鳥の図柄ですが、伸びやかな筆致が素晴らしい。
本歌に迫る美しさではないでしょうか。

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永楽妙全作の皿と合わせてみました。
こちらの図柄は「玉取獅子」です。

↓こちらもご参照下さい。
http://mukouzuke.blog.so-net.ne.jp/

永楽即全の寄盃 [茶の湯]

僕は少ししかお酒を飲まないので、
酒器にはあまり興味がなく、ほとんど持っていないのですが、
最近「それではいかん」と思い立ち、少しずつ買うようにしています。

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そんなわけで、十六代永楽善五郎・即全の「寄盃」です。

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「染付」「黄交趾」「京焼」「染錦」「赤絵」の五つの技法で作られた盃が、
ひとつの箱に収められています。

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「黄交趾」の盃には陽刻で鳳凰が描かれています。
直径6センチほどの盃ですから、なんとも精緻な技巧です。

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高台には小さな小さな“永楽印”が。

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共箱には「善五郎造」のサイン。
小さな酒盃でも、仕様は抹茶茶碗とまったく変わらない。
さすが“永楽”です。

永楽保全の手塩皿 [茶の湯]

ようやく体調が回復したと思ったら、
今度は急に仕事がバタバタと忙しくなってきて、
さっぱりブログが更新できない今日この頃。

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そんなわけで久々に懐石道具を紹介します。
永楽保全の青交趾手塩皿です。

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永楽保全については改めて紹介する必要はないと思いますが、
十一代永楽善五郎。永楽家の“中興の祖”として最も高い評価を受けている陶工です。

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直径10センチほどの手塩皿で、
雲鶴の模様が線彫りされているだけのシンプルな造りなのですが、
この線掘りの絵がめっちゃ上手い。
保全は狩野永岳から画を学んだと伝えられています。

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側面には、宝珠などの“吉祥文”が描いてあります。

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高台には保全の永楽印。

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そして共箱には「河濱支流」の印が。
この印は文政十年(1827)に徳川治宝から拝領したものと言われています。

↓こちらもご参照下さい。
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「茶会への招待」展 [茶の湯]

季節の変わり目のせいか、引っ越しの疲れが出たのか、
先週からずっと体調が悪く、
なかなかブログを更新できなかったことをお詫びします。

ちょっと元気になったので、
三井記念美術館で開催されている「茶会への招待」展に行ってきました。

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三井家はその歴代当主の中から何人もの数寄者を輩出している、
茶の湯の世界における名門中の名門ですが、
その秘蔵の茶道具がズラリという、最高に贅沢な展覧会です。
国宝の志野茶碗「卯花墻(うのはながき)」をはじめ、
大井戸茶碗の「上林井戸」や長次郎の黒楽茶碗「俊寛」、
そして楽道入の赤楽茶碗の傑作「鵺(ぬえ)」など、
茶碗はどれも、唸るような名品ばかり。

嬉しかったのは、懐石道具の展示が充実していたこと。
とりわけ尾形乾山の「銹絵染付笹文蓋物」には目を奪われました。
でも個人的には、永楽保全や和全の作品をもっと見たかった。
いつか、懐石道具だけの展覧会をやってほしいものです。

染錦龍画香合 [茶の湯]

ついでにもうひとつ、十二代柿右衛門の作品を。

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「染錦龍画香合」。
今年の元旦に写真を載せたので、
覚えておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

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側面には雷文の染付がされています。
写真だと大きく見えますが、直径はわずか6.5センチしかありません。

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「染錦」というのは染付と色絵(錦手)を組み合わせた技法のこと。
十二代は「染錦」を極めた最高峰の陶工です。

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共箱には「柿右衛門」のサインと朱印があります。
せっかくの辰年にただ眠らせておくのはもったいないので、
どこかのお茶事で使っていただけたら嬉しいのですが‥。

高取焼の手鉢 [茶の湯]

引っ越しの準備で、ほとんどの懐石道具は梱包してしまったのですが、
たまたま包んでいなかった、お気に入りを紹介します。
高取焼の手鉢です。

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高取焼は江戸時代に黒田藩の御用窯として栄え、
遠州七窯のひとつとして、
小堀遠州好みの茶道具を手がけてきた“茶陶”の窯です。

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茶入、花入、水指、そして茶碗の名品は数多く残されているのですが、
向付や鉢といった懐石道具は比較的珍しいと言えます。
この鉢も懐石の焼き物鉢、あるいは菓子鉢として作られたものだと思います。

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釉薬は飴釉と伊羅保釉(土灰釉)の“掛け分け”になっており、
それがなんとも美しい“景色”となっています。
この“掛け分け”の技法は、高取焼の特徴のひとつ。

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そして“手”の部分には、精緻なヘチマの装飾が施されています。
おそらく茶人がオーダーメイドで作らせたのでしょうが、かなり凝っています。
これはまさにお茶事で使ってこその鉢。
飾っておくだけではもったいない‥‥と自分でも思います。

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永楽妙全の向付 [茶の湯]

今回は、永楽妙全の「黄交趾輪花向付」を紹介します。

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永楽妙全は永楽家十四代・得全の妻。
得全が急逝した明治42年から昭和2年までの間、
永楽家の家業を受け継ぎ、支えた人として知られています。

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ことに色鮮やかな「交趾」の技法は妙全の得意とするところで、
数々の名品を残しています。

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この向付にも、片側には鳳凰、反対側には龍の精緻な陽刻が施されており、
派手な色使いなのに気品溢れる仕上がりになっているのが、面目躍如たるところ。

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高台の裏側には「永楽印」があり、

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共箱には「善五郎造」のサインと共に、赤い「悠」の印が押されています。
この「悠」というのが妙全の本名。

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同じく妙全作の黄交趾銀張の酒盃と合わせてみましたが、
明るい色だけに、なかなかコーディネートが難しい器と言えます。

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